意地悪上司は私に夢中!?
ピンポーン…


それから10分ほどして、またインターホンが鳴った。

画面には永瀬さんが映っている。

頭がハテナマークになりながらドアを開けた。

「どうしたんですか?忘れ物でも」

「…お前なあ」

いつもよりさらにドスのきいた声。

どうしよう。怒ってる。

Gのせいで。

いや、私の厚かましいお願いのせいで。

「…っすみませんっ」

目をぎゅっと閉じて頭を下げて謝った。


「…礼くらいしろよ」

「…え?」

「デート。付き合え」

デート…

目を逸らしたままの永瀬さんは、やっぱり首の後ろをポリポリ掻いている。

「…ちょっと待ってください!
15分…いや20分くらい待ってください!
準備しますから!」

「…車にいるから」

「はいっ」

ドアが閉まって、急に心臓がバクバク言い出す。

だけど永瀬さんとプライベートで出かけるなんて…

早く準備しなきゃ。

なぜか張り切っている自分が、ちょっと不思議だ。

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