独り占めしても、いいですか?
チラッと隣に座る透を見た。



こいつも、怒ってんだろうな…



仕事中に透と衝突してから1度も話してない。



この状況は優希と秀也だって知っている。



席を隣にさせたのは『早く仲直りしろ』ってことなんだろうけど…



「おい」



顔は窓の外に向けたまま、ギリギリ聞こえるくらいの声で声をかけた。



「………」



返事はない。



俺たちの空気を読んで、優希と秀也が静かになった。



御厨さんも、話し掛けてくるやつがいなくなったことで口を閉じる。



「悪かった」



顔はそのまま、透の方は向かない。



「相手が違うだろ」



透が口を開いた。



そのことに少し驚く。



横目で隣を見たが、こっちは向いていなかった。



俺もすぐに窓の外を向き直す。


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