独り占めしても、いいですか?
私はお礼を言って、透の隣に潜り込もうとしたところで気づく。



「あ、私が真ん中に行こうか…?

確か、男2人は嫌だって…

あっ、それとも、私とシングルベッド変わった方が…」



「いい」



透が私の言葉を遮った。



「日和と一緒なら少しくらい嫌なやつと近くても我慢する」



「だーれが嫌なやつだって?」



「凛っ」



眠っていたはずの凛が目を覚ました。



それを見て、透が『チッ』と舌打ちをする。



仲良くなったんじゃなかったの…?



「日和、真ん中に来い。

落ちたら困るしな」



「落ちないよっ!」



と言いながら、2人の真ん中に入る。



真ん中は2人の温もりが感じられて温かかった。



少しして左右を向くと、2人とも、もう目を瞑っている。



やっぱり疲れてるんだ…



私はありがとうの意味を込めて2人の頬に軽くキスをした。



心臓がドキドキいってる。



キスをしたから…?



でも、不思議と心地いい。



満足して私も眠ろうと目を瞑ると、自然に夢の中に入っていく。



多分、2人と一緒だから安心してるんだ。



10秒後には『すぅ…すぅ…』と寝息を立てていた。


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