独り占めしても、いいですか?
完全に寝たところでもう一度ベッドへ寝かせ、絢香さんの方を向く。



「説明、してもらえますか?」



場合によっては絢香さんでも許さねえ。



そう、目で訴えた。



「うん…あの、凛君、本当にごめんね。

私今日に限って体調崩しちゃって…

はじめに日和が楽屋に来た時はなんとか誤魔化したんだけど、2回目の時はノックの音に気がつかなくて、倒れ込んでるところを見られちゃったの。

そんな私を見兼ねた日和は、私の代わりにステージに上がるって言ってくれて…」



「ちょっ、ちょっと待ってください。

じゃあ、絢香さんも今、相当体調悪いんじゃ…」



「私は平気よ。

日和が代わってくれたおかげで少し寝ることができたし、解熱剤も飲んだから…

いつも通り動けるわけじゃないけど、倒れることもないと思うから…」



「…そうなんですね」



日和がステージに上がったのは自分の意思ってことか。



ったく、無茶し過ぎだろ。



絢香さんも。



シンデレラ役、どーすっかな。



日和はこの様子じゃ無理だ。



絢香さんだって実際は倒れるくらい体調は悪かったんだよな…



いくらプロだと言っても無理はさせらんねー。



代役を今から…いや、それも無理だ。


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