独り占めしても、いいですか?
「あれ、日和にシェリー嬢にあかりんじゃん!

やっぱ姫様達もミスターコン観に来たんだ?」



刀馬君と樹君が私達に近づいて来た。



隣で朱莉が『あかりん』と呼ばれたことに対して小さな声で不満を言う。



なるほど、皮肉や不満は刀馬君や樹君には言えないのか…



つまり、言い合いをできるのも仲がいい人だけ…



……やっぱり朱莉とみんなって仲良いじゃんっ!



「あれ…?

颯斗君と直生君はどうしたの?」



樹君がキョロキョロと私達の周りを見回しながら言った。



それにつられて私達もキョロキョロと周りを見回す。



そういえば…テラスを出た時から見かけてないような…



「あー、それならここに来る途中で振り切って来たけど」



平然と答える朱莉。



振り切って来たって…護衛なのに…⁉︎



「だ、大丈夫かな…?

颯斗君も直生君もすごく心配してると思うけど…」



「だって、せっかく3人でいるのに監視が付いてるとかつまんないじゃん」



私達はいいけど、シェリーちゃんって一応財閥の令嬢だから、さすがに護衛無しはまずいんだけどなぁ…



と思いつつも、こういうイタズラは私も嫌いじゃなかった。


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