独り占めしても、いいですか?
マイクをしっかり握り、大きく深呼吸をした。



最初は凛のパートから。



つまり私のパート。



ゴクッと唾を飲み込み、すうっと息を吸って、声を…



あれ…?



「……日和?」



固まってしまった私を変に思った透が心配そうな顔を向けた。



なに…これ。



声が…出ない…?



喉でつっかえてる感じがする。



どうして…



歌わなくちゃいけないのに…!



失敗しちゃった、どうしよう…



怖い…逃げたい…



逃げたい…けど、私は変わりたいっ。



変わるためにステージに立った。



体調が悪くなっちゃう癖を、少しでもなくしたい。



みんなの視線を怖がってる場合じゃない。



頼ってばかりの私は嫌…!



お願い、出て…!


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