独り占めしても、いいですか?
「少しだけ…」



そう呟いて、公園に一歩踏み出した。



ブランコは錆びだらけだし、砂場だって草だらけ。



それでも、ここは思い出がいっぱい詰まった場所。



1番人気だった滑り台。



なんとなく、滑ってみたくなった。



時間ないのはわかってるけど…乗りたい!



1回だけ…



パッと辺りを見渡して誰もいないことを確認。



高校生で子供用滑り台なんて恥ずかしいもんね。



「やっべ、それまじやべー」



「だろー?」



2、3段登ったところで声が聞こえた。



慌てて階段を下り、何もなかったかのように木を見上げる。



あ、焦る…



心臓が飛び跳ねた…



…けど、よく考えたら今の私だって不自然だよね。



ボロボロの公園で、高校生が、葉っぱ1つない木を見上げて…



不自然の塊でしかないよ。


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