独り占めしても、いいですか?
「どーだ日和!

俺のすごさがわかったか!」



「………」



ムカつく…



ムカつくけど本当のことだから何も言えない。



ムカつくけど言い返せないし、そのことがより凛君のすごさを実感させる。



「うるさいぞ凛。

算数じゃ日和に勝てないくせに大口叩くんじゃない」



「う、うるせー!透に言われたかねーよ!

算数だって勉強すればあれくらい…」



「ううん、すごかったよ」



もう認めざるを得なかった。



つまらない意地を張ってる場合じゃない。



今まで凛君のこと見下してたけど、今はすごく仲良くしたいと思ってる私がいる。



なんか、都合よすぎるかな…



すごく酷いことたくさん言ったし、ひどい態度ばっかりだったけど…



今からでも遅くないかな…?



友達になりたい…



「あの…凛く…」



「よっしゃあぁぁ!

おい、聞いたか透⁉︎

日和が、日和が俺のこと褒めたぞ!」



「だからうるさい、ちゃんと聞いてた」



「つーことはさ、日和!

今度はぜってー断わんなよ⁉︎

友達になろう!」



ああ…なんて真っ直ぐな人なんだろう。



私は心が洗われる気分だった。


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