何度でも恋に落ちる

終・again and again

数日後。


千夏と真弓の部屋は、段ボールが山積みにされていた。




「今日で千夏との暮らしも終わりかぁ。私は隼人と、千夏は持田さんと結婚だもんね。…寂しいね」


「何言ってるの。これからは隼人さんと暮らせるんだよ?…もしかしてマリッジブルー?」


「だって、千夏とあんまり会えなくなると思うと…」




千夏は涙ぐむ真弓に笑いながら、優しく真弓を抱き締めた。





正直、千夏も真弓と離れるのは寂しくて仕方なかった。


叶うものなら、ずっとこのままここで暮らしていたい。



でもいつまでも子どもではいられない。




それぞれの人生があって
幸せがあって

家庭を作っていかなくてはならない。




それは誰しも同じこと。


その現実から逃げてはいけない。





「私と真弓はずっと親友よ。どこにいたってずっとね。…さよならなんかじゃないよ」


「千夏…」


「私はね、真弓のおかげで沢山幸せになったの。真弓がいてくれたから、いつも笑っていられたんだよ?

…こんな言葉じゃ足りないけど、言っておくね。

ありがとう、真弓」




千夏がニッコリ微笑むと、真弓は泣きながら千夏に抱きついた。





翼と出会えたのも
翼と結婚出来るのも


いつもそばで支えてくれた真弓と隼人さんのおかげなんだよ。



本当にありがとう。
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