何度でも恋に落ちる
「隼人。あんま橋本さんに心配掛けんなよ?」

「わかってるって。お前もたまには連絡入れろよ?」


隼人と拳を重ねた翼は真弓に視線を移した。




「橋本さん、ちーを宜しくね。俺の代わりにそばにいてやってくれ」


「もちろん。持田さんが帰ってきたら、私と千夏がラブラブ過ぎて妬くくらい千夏といるから」



真弓と微笑み合った翼は最後に涙目の千夏を見つめた。




「ちー、待っててね。必ず迎えに行くから」



ゆっくり頷く千夏にソッとキスする翼。



唇が離れると、千夏は震える声を堪えて呟いた。




「…翼。いってらっしゃい」

「いってきます」



翼は優しく微笑むと、そのまま搭乗場所へと消えていった。





「千夏ちゃん、2年なんてあっという間だよ。俺らと一緒に待っててやろうな」

「そうだよ、千夏。みんなで待ってよう?」



涙を流す千夏に寄り添う真弓と隼人。







翼。

ちゃんと待ってるから…



あなたに『おかえり』って言える日をずっと待ってる。



待ってるから…。









翼を乗せた飛行機は青く澄んだ空を渡り、海を越えていった。
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