物理に恋して
なんて、言えるわけもなく、もちろん続きは留めておく。


ただ物理が好き、ということにして。



「有馬が?」


それなのに、委員長の思わぬ一言。


「…?!」


突然のことに、返す言葉がない。


「あはは、秋野も有馬のファン?」


驚いているわたしに、そう言って笑う委員長。


「なわけないじゃん…!」


「本当かよー!」


そう言ってにやにやする委員長に、もう一度お礼を言って話を終わりにした。


たとえ先生にファンが多くいたとしても、委員長の軽いジョークだとしても、心臓に悪すぎる。


委員長のノートを机にしまいながら、ドキドキとうるさい心臓を落ち着かせた。
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