俺様御曹司に飼われました
「ど、して……」



あたしじゃないとダメと言われると。
あたしじゃないって分かってるのに期待してしまう。



「とにかく、お前は俺のだから」


「……んっ」



開きかけたエレベーターの閉じるボタンを押したかと思えば、すぐにあたしに口付けをする。



「お前は俺の。それだけは忘れるな」


「……でも、あたしは「黙れ」



命令的な口調のあと、優しく……とても優しく唇がもう一度塞がれた。


あたしは悪魔のものなのに。
悪魔はあたしのものじゃないくせに。

そんなの嫌だって、悪魔の腕をふりきればいいだけなのに。

悪魔のことが好きなあたしはどうしてもそれに応じてしまう。



「ずっと傍にいろよ」



悪魔のキスに夢中になって、意識が虚ろになった頃。
悪魔の俺様発言があたしに降ってくる。



「……うん」



どうしても、嫌だなんて言えない。

惚れた弱みだと言われればそれまでかもしれない。

あたしをいちばんに想ってくれない彼との恋は悲しみの連続なのかもしれない。
でも、悪魔があたしを必要と言ってくれるなら。

あたしはここにいることを選ぼう。

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