俺様御曹司に飼われました
「これがあそこにいたもう一人の人でも言うくせに」


「まぁ、そうだけど」



もう一人の人……。
ごめん、名前わかんないし顔もそんな思い出せない。

自己紹介、してたんだろうけど悪魔のことが気になってそれどころじゃなかった。
そして人の顔とか名前を覚えるのがすごく苦手だから。



「つーか、もう一人の人とかあいつかわいそ」



可笑しそうに笑う姿にその人のことは好きなんだろうなって思った。



「見せろよ」


「え?」


「泰治とのLINE」



スマホを見せろと手のひらを出してくる。



「プライバシーが……」


「あいつにプライバシーとかねぇよ」



これは拒否するのは難しいと判断。
スマホのロックを解除して悪魔の手に乗せる。



「強引なんだから……」


「そんな俺がすきなんだろ?」


「……っ」



さらっとこんなことを言ってのける悪魔にはもう完敗だ。


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