俺様御曹司に飼われました
「進藤さ、俺が自分の親の会社だって知らなかったみたいで」



まぁ、他人にはそんな興味ないもんな、あの人。



「俺が今年入社して、今同期会だって言ったら何故か全員いるんですか?って聞かれたんだよねー」


「へぇ……」



まずい、これは完全にまずい。

焦りを見せてしまうと怪しまれるので、平静を保つ。



「音哉先輩もいるってことですよね?って言われたんだけど、お前そんな顔見知りだっけ?」


「いや、まぁな……」



気まずそうな顔になる音哉。

悪魔は多分、あたしと音哉が一緒にいることの確認をしてるんだと思う。
そして、東條くんが答えたからそれが確信に変わってるはずだ。



「愛しの茅ヶ崎が待ってるから戻るかなーって戻ってきたんだよ、俺」


「……はぁ!?」


「そ、そんなに驚く!?入社したときからずっと言ってんじゃん」


「その冗談をほかの人の前でも言わないでよ……」



とくに、悪魔の前で言われると厄介だ。

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