俺様御曹司に飼われました
「誕生日おめでとう」


「……!覚えて!?」



自分でも忘れてた。
今日が誕生日なんてまったく忘れてた。



「当たり前だろ。1度も忘れたことなんてない」


「……暁」


「1度も祝えたことないけど、毎年お前が生まれたことに……出会えたことに感謝する日ではあったよ」


「……っ」



いつの間にか、この人はあたしが欲しい言葉をいうようになっていた。

いつだって、俺様だった。
強引で横暴だった。



「これ、もらって」



パコッと暁が開けた箱の中に見えるのは、雪の結晶がモチーフになっているネックレス。



「綺麗……」


「誕生日プレゼントなんだけど、いる?」



いらないなんて、言うわけないのに。
そんなことわかってるくせに、聞いてくる暁はやっぱり意地悪で悪魔だ。



「欲しい……です」


「じゃあ、家に入れてよ」


「あっ!」



暁の言葉にまだ彼が靴をはいたまま玄関にいることに気づく。

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