俺様御曹司に飼われました
「はい、お待ち!」



まず出てきたのは、あたしの塩ラーメン。



「俺すぐ食べれっから先食べとけよ」



箸入れから割りばしを取り出して渡してくる。



「あ、ありがとうございます」


「って敬語なんだね。彼女か?」


「そー。彼女ー」



呑気に言うもんだから、口に含んでいたらーめんを吹きこぼしそうになる。

悪魔にもラーメンが置かれて、彼もフーフーと息を吹きかけながら口に入れてる。



「へーじゃあ好きな子と上手くいったんだな」



その言葉に悪魔の食べる手が一瞬止まる。



「黙れ」



一瞬、カウンターを見上げて聞いたことのないくらいの低い声でそう呟いた。



「へいへい。怖いから黙っときます」



肩をすくませて、洗い物をし出す。


……好きな子。
うまくいったってことは、昨日今日出会ったあたしなんかじゃない。

悪魔には好きな子がいたんだ。
うまくいかなかったかはあたしなのか、はたまたいまはそんな気がないのかなのかはわからない。

でも、好きな子がいたのはたしかだ。


なんでかわからない、胸のきしみを感じながら昼休みは終わっていった。

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