俺様御曹司に飼われました
「心海、好きだよ」


「ん……っ、あたし……も」



あたしに溶け込んでいく、暁と。
暁に溶かされる、あたしと。

同じ気持ちで。
体を重ねたのはもしかしたら初めてかもしれない。

高校生の時以来かもしれない。

記憶をなくしてから知り合った暁にはずっと別の好きな人がいると思ってたから。
だから、二人の思いが重なることなんてないと思ってた。



「ごめ……止まんね」



暁の描く旋律がだんだんと激しくなっていく。



「ん……止めなくて……いい……んんっ」



その旋律にあたしの体のすべてが反応していく。



「やっ……べ」


「ん?」


「いままでも心海と何度もしてきたのに全然違うんだよ……」



暁の言葉とあたしの思いは一緒だった。

ふたり、気持ちが重なって。
溶け込み方さえもかわってくる。



「あたしも……思ってた……んっ」



その言葉のあとすぐにあたしの胸に顔を埋めて肩で息をしてる。


「久しぶりなのに、全然優しくできなくてごめんな」



額にチュッと唇を落とす。



「最高だったからいいの」


「なんだよ。それ!またしたくなるからやめろ」



照れたように頭をかく。


また、暁とこうなれてよかった。
また、今日好きが増した。

これからもずっと好きが増していく気しかしない。

それほど、大好きなんだ。

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