俺様御曹司に飼われました
「ずっと傍にいて欲しいんだ。やっと手に入れたんだから」


「……?」



やっとってどういうことなんだろう。
この顔をだろうか。

この顔のせいで悪魔に囚われるなら、整形してしまおうか。



「行こう、映画」



あたしは自分から悪魔の手を握る。



「……っ」



悪魔は、びっくりしたような顔であたしに握られた手をみてる。



「あ……暁さん?」



一瞬〝悪魔〟って言いそうになって慌てて、言葉を整える。



「いや、こうして心海から手を握って貰えるなんて夢のようだから」


「……大袈裟」



今日の暁さんは少しおかしい。
いつもならもっと俺様なのに。

それに、夢のようなのはあたしだからじゃない。
この顔ならいいんだから。

でも、あたしはこの人のこの嘘に騙されて見ようと思い始めてた。



「映画行くぞ」



気を取り直したように、あたしの手をぎゅっと握って歩き出す。

この日、映画とご飯を楽しんだけど。
写真の女の子が気になりすぎて、頭になんて何も入ってこなかったのは言うまでもない。

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