俺様御曹司に飼われました
「音哉……帰ろう」


「あ、あぁ……」



気まずそうな顔になる。



「音哉は悪くないから、気にしないでよ」


「や、でも……連れてきたのは俺だからさ」



ボリボリと頭を搔く。



「ついてきたのはあたしだから、ね?」


「ん。ごめんな、ほんと」



あたしの言葉を認めながらも謝ってる音哉にクスッと笑いがこみ上げる。



「なんで笑ってんだよ」


「だって、謝るから」


「いや、だって……こんなんシャレにならんだろー」



悪いのは音哉じゃないのに。

あたしを自分のものと言いながら、ほかの人を選ぶ悪魔が。
そして、そばにいれなくなるのが怖くてなにも言えないあたしも。

どっちも悪いんだと思う。



「どうする?うちくるか?どうせ御曹司いないんだし」


「……ううん。まつよ」



本当なら、ひとりでなんかいたくない。
でも、逃げてちゃダメだから。

いつまでも逃げてるわけにはいかない。

< 83 / 234 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop