好きやねん(押さえられへん思い)
「お前、めっちゃ男前やから芸能界に行ったら。」

ミスコンのグランプリの母とモデル並みのスタイルの父の間に産まれただけある。

小学5年にスカウトされたが直美の傍から離れるのが嫌で断ってん。


隼人にスカウトの話を教えたか覚えてへんねん。


「分かった、分かった。
隼人、俺、帰るから先生に言っといてくれや
宜しくやで」


と軽く隼人に言って、鞄とコートを取って去ろうとした。


あいつの椅子にコートがかかってある事に驚いた。


あいつのコートも取って去ろうとしたら。

隼人が何を言ってるのか分からへんが叫んでる。


あいつ、真冬にコートを着ずに帰るなんて普通ではない。


俺が想像する以上に傷ついてるな。


あいつは、何処に居るんだ。

探しださなあかん。


俺は、あいつの事が無茶苦茶心配なりながら教室を出てん。


廊下を駆け足で走りながら真っ黒でスライド式の携帯電話であいつに電話をかけた。


繋がらないやん。



繋がらないやん。

何回目着信音鳴らしたのだろうか?


諦めかけた時に携帯電話の着信音が消えた、





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