好きやねん(押さえられへん思い)


「そうだ。
言わないと言ったら」

真顔で軽く下唇を噛んで、鋭い目で言うねん。


俺は、何って言葉が返ってくるんやろうか。

待つしかあらへん。


緊張してたんが嘘のように消えて、キラキラ輝かして、刑事はんを見てん。


軽くため息を交えて、立ち上がって、話し出してん。


もしかしたら、言うんをためらっとるように感じてしもうた。


気づいてへんように俺は、身を乗り出しとるねん。



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