イケメン部 〜第2巻〜
疲れ果て、重くなった身体を起こし、澪和はテーブルの上を見る。


ーーー3万円

きっと昨日か今朝、両親が置いていったのだろう。




……今日の分か




お金があれば充分だろ、そう親に言われているような気がして澪和は思わず身震いをした。




御影先輩は、お父様から早く帰ってこいって言われるのに、私は……




澪和の目には涙が滲み出してきた。

静かに目を伏せ、机の上の封筒を手に取り、ただ無心のまま澪和は家を出た。

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