白い羽、黒い羽
○しろ1






よく晴れた日だった。



ぼくは花飾りを作っていた。


公園にたくさん咲いている花を集めて、ちょうど頭にすっぽりはまるくらいの輪を、せっせとこしらえている。



「ちょっと待っててね、ビアン」とお母さんは言った。



「うん」



さっきから、ぼくのお母さんは、カステラのお母さんと長々と世間話をしていた。


朝、市場へ買い物に行った帰りに、この公園の前でばったり会ったのだ。


ぼくは荷物持ちとして、お母さんの買い物について行った。

ぼくはもう9歳だし、そのくらいのお手伝いはできる。



やっと花飾りは完成した。

自分の頭に乗せてみた。

…うん、ぴったりだ。



お母さん達は、まだ夢中でお話をしている。

もう30分は経っているはずだ。


< 3 / 25 >

この作品をシェア

pagetop