好きって言ってほしいのは、嘘つきな君だった。
「は…?じゃあ何。舞、俺と付き合ってくれんの?」
その質問に、コクリと首を縦に振る。
「ま、じかよ…」
「嫌?」
「んなわけねーだろっ!」
即答する大志に、ふふっと笑ってしまった。
ぎゅっ、と、安心する温もりに包まれたのはその直ぐ後のこと。
「舞、ありがとう。絶対大事にするから」
大志にこうされてるのが、なんだか不思議で、くすぐったくて。
「当たり前でしょ?」なんて言ってしまう私は本当に可愛くない。
「やっぱ可愛くねぇな〜、お前」
「そんな私が好きなくせに」
「…っ!はぁ〜…、舞お前、本当むかつく」
「へへっ」
大志の熱とか、そんなものも全て忘れて。
私と大志はこの日、初めてのキスをした。
長年の想いが叶った瞬間だった。