この恋の行き先は
「…どういうことだ?お前は初に何を言った?」

後ろから追ってきたのがわかり、振り向かずにそう尋ねる。

足音が止まり、緊張感が漂う。

「ごめんなさい!私、水城(みずき)くんが好きでっ…このまま別れちゃえば、私にも可能性があると思ってっ!」

…そう思わせたオレも悪いのか?

悪いけど、可能性なんて一ミリもないのに。

「三浦さん?初になんて言ったか知らないけど…可能性はゼロだから。オレは純粋に良い相談者だとしか思ってなかった。今は、ゼロどころかマイナスになったけどな。」

女の相談にのるは、こんな裏もあったんだな。

はっきり言ったほうがいいかと、強いセリフになったが、これで諦めてくれたらいい。

オレは初しか好きじゃない。

最低かもだけど、初しか大切じゃない。
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