俺の町の思い出の場所
俺の小さいころ
青い空が広がる天気の日、
俺はお母さんと川が流れている公園に行った。お母さんの片手には、俺の手。もう片方には、本を持っていた。その本は、『思い出の場所』という題名の絵本。水色の綺麗な本。俺は川の流れている音を聴きながら、ベンチに座ってお母さんの絵本の読み聞かせをしてもらうのが、大好きだった。
だから、何回もここに来た。
今日は、すぐにベンチには座らず、川にしゃがんでお母さんと眺めていた。
透き通った綺麗な川をボォーと眺めていた。
数分後ある事件が起きた。
俺が座っていた所の地盤が昨日の大雨で緩んでいたらしく、滑って川に落ちてしまった。俺は水が苦手だったころだから、バタバタさせていた。お母さんもスグに飛び込んだ。この川は、あいにく凄く深くお母さんの足も届かない…
俺を抱き抱えて、川を上がろうとする時
上流から、大量の水が押し寄せて来た。
俺は岸に上がったが、お母さんは水に飲み込まれ、流されて閉まったのだ。
俺はお母さんが、流されたことを知らずに、「おかぁさーん。どこにいるのー。」
と、泣きそうな声で歩きながら読んでいた。
片手には絵本を持っていた。
公園を抜けた所に交番があることを知っていた俺は、交番にいって、
「お母さんがいないの。」
といって、お巡りさんと少しはなした。



結局お母さんが、見つかったのは丁度2週間後のひる。
下流に、死体を発見した。
お父さんは、泣いていた。
俺はこの時よく、意味が分かっていなかった。

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