イジワル男子の甘い声


購買でカツサンドとメロンパンを買って、その2つが入った袋を持ちながら教室に戻る。


「あのっ!」


渡り廊下を過ぎようとした瞬間、女の子の声が聞こえて思わず足を止める。


ん?


足を少し戻してから、声のした方へ向かう。


人影が見えたそこに近づくと、人気のない校舎裏に女の子と男の子が話しているのが見えた。


うおっ!


これって告白?!


見ちゃいけないものなんだろうけど、見ちゃったものは気になって仕方がない。


ん?


んんん?


女の子の顔はこちらに背を向けているから見えないけど…。


男の子の方は…。


んんっ?!


嘘でしょ。



「柏場先輩!あの、好きです!つ、付き合ってもらえませんか?」


嘘…。


告白されてるのって…。


面倒くさそうにそっぽを向きながら、首に手を持ってきて、実に態度が悪いその相手…。



間違いなく、同じクラスメイトの最低野郎である、柏場 優作だ。



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