イジワル男子の甘い声


「あぁ…。知らないし、もちろん会ったこともないよ。サクは顔を出さないで歌を歌っているし」


「……なんで、自分のこと知らないやつのために頑張るんだよ」


「違うよ。sakuのためじゃない。自分のためにやってるの。私が勝手にsakuを好きで、勝手に大切にしてるだけだから。自分の大切なものを失いたくないから、頑張るだけ」


sakuへの思いをこんな風に、柏場に話すのはちょっと恥ずかしい。


同じようにsakuを好きな、ミカたちと愛を語るのはなんだか違くて。


「会ったこともなければ顔も知らないやつのことを大切だとか…理解不能」


「うん。でも、sakuの歌が私の支えになってるのは事実だから。柏場くんに理解してもらえなくたっていいよ。無理に理解してなんて言わない」


別に怒っているわけじゃないのに、最後の言い方はなんだが嫌な言い方だったと我ながら思う。


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