イジワル男子の甘い声
*
「今日は本当にありがとうございました」
「あぁ」
「テストが終わるまでの間、よろしくお願いします」
「ん」
玄関の前で、柏場に深くお辞儀をしてお礼を言うと、彼は小さく声を出した。
ほんっと、必要最低限喋らないよなぁ。
「じゃあ、おやす─────」
「そいつはお前が自分のために勉強頑張ってること知ってるのかよ」
「えっ、」
挨拶して帰ろうとしたら、柏場が突然話し出したので立ち止まる。
一体なんの話だろうか。
「お前の好きな、サクってやつ」
っ?!
えっ。
柏場の口から、サクの名前が出てきてびっくりする。だって、すっごい興味なさそうだったし。