イジワル男子の甘い声
*
「うわ、この子本当に勉強してるよ…」
朝、教室に入ってきたミカたちは単語帳とにらめっこしながらぶつぶつ呟く私を見て、そう言った。
「この単語帳、自分で作ったの?」
「そうだよ。絶対sakuを守って見せるんだから!」
「いや〜気持ちはわからんでもないけどさぁ。現実的に無理でしょ?双葉が80点なんて」
ミカが哀れんだ顔で私を見つめる。
う、なんだよ。
「85点!」
「同じようなもんよ。80も85も。無理な点数に変わりはない」
みんな口々にそんな声を私に浴びせてくる。
「君たち、それが頑張ってる友達にかける言葉か!もっとこう励ます言葉あるでしょうよ!」
「友達だから事実を言ってんの。現実突きつけられて悲しむあんたの顔なんて見たくない。だから、今日の放課後はパーっとカラオケでも…」
っ!悪魔だ!悪魔のささやきだ!
「い、行かないよ!頑張るって決めたもん!」