イジワル男子の甘い声
まずい…。
1人でペラペラと聞かれてないことまでしゃべりすぎた。
「ごめんっ、ペラペラと…私の話ばっかり」
「俺が勝手に聞いたんだ。話しなよ」
「えっ、」
なんか…目の前にいる人が柏場じゃないみたいだ。私の話の続きを聞いてくれるなんて。
「卵焼きが何」
「あ、うん…あのね…」
誰かとこうして話しながら食事をするなんて。つい最近までパパとしてたことなのに。随分昔のことみたい。
誰かが話を聞いてくれる。そのことがこんなに嬉しいことだったなんて。
「私、卵焼き焼く前にフライパンに油を引くことを知らなくて…くっついてぐちゃぐちゃになっちゃったんだけど、パパはそれでも失敗の正解だ、なんて変な励まし方してくれて」
懐かしいな、そんなこともあったななんて、パパとの思い出がどんどん蘇ってくる。