イジワル男子の甘い声


「…私がファンだって…ずっと前から知っていたの?」


鼻水をすすりながら、ゆっくり質問していく。

あのsakuがこんなに意地悪で性格の悪いやつなわけない。その気持ちだって確かにある。


だけど、目の前の彼が、sakuだと言う説明は筋が通っている。


低い声が本当の声?
それとも、高い方?
こいつはずっと、使い分けていたなんて。


疑うわけないじゃない。
だって、私のsakuのイメージとは…大分違うんだから。


「2年になって、初めてお前の名前を見て見覚えがある、と思った」


「……っ、」


「でも、あいつらとあんなに毎日のようにsakuのことで騒がれちゃ、な」


ずっと知ってたんだ。
私がsakuを好きで、大好きで、だから勉強を頑張ってたことも。


「っ、だったら…内心笑ってたんでしょ」


「……」

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