イジワル男子の甘い声





「……葉、双葉…」


ん?


久しぶりに聞く、大好きな声が私の名前を呼んでいる。


「っ、ん」


どれくらいの時間そうしていたんだろう。


ゆっくり目を開けると、あまりの眩しさに思わず閉じてしまった。


「双葉、起きなさい」


っ?!


その声で、私の目はパチっと開かれる。


「…パ…パパ?」


重たい瞼と、カピカピになった頬。最悪な状況でベッドから起き上がる。



「どうした…ひどい顔だぞ」



「ううん。なんか、怖い夢見てたみたい」


だんだん目が部屋の明るさに慣れてきて、目の前にいるパパがくっきりと見えるようになった。


緩めたネクタイに、すごく疲れた顔。
この短い間に、一気に3歳くらい老けたと思う。



< 166 / 374 >

この作品をシェア

pagetop