イジワル男子の甘い声


20分後──────。


マンションの住人の誰も外に出て来なければ、誰もマンションに入る人もいない。


エントランスの冷たい床に体を丸くして座る私。


人って、こんなにいないもの?



────ウィーン


「パトラッシュ…なんだか眠くなってきたよ…」


寂しさと絶望感のせいで、そんなことを呟いてしまう。


「……」


嘘。


ボソッと呟いたその瞬間、まるでその物語のように天使が迎えにきたのかと思ってしまった。


目の前には──────。



キリッとした切れ長の目に、

細い鼻筋。


見たことある。


っていうか、今日、その目に睨まれたばかりだからよく覚えている。



「安らかに永遠の眠りにつくがいい」


嘲笑うようにそういう、目の前に立つ人物。


「なんで?!?!?!?!」


なんで
なんで
なんで
なんで───────!!!!



なんで柏場がいるのよー!!!!



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