イジワル男子の甘い声





「まっさか双葉ちゃんから連絡が来るとはね〜初めてじゃない?いつも俺からばっかりだったし」


目の前の彫刻のようなハーフは、ニコニコと嬉しそうに珈琲ゼリーを食べながらそう言った。


「ごめんなさい。忙しいのに…」


「いやいや全然大丈夫。ちょうど取材終わったところだったし、暇だったよ」


この人は本当に…モテるんだろうな。
顔だけじゃない。サラッと出てくる言葉が、相手に嫌な思いをさせないようにする。


「あ、あの後大丈夫だった?特に連絡とかなかったから勝手に安心してたけど」


全然大丈夫じゃなかったです!
そう言おうと思ったけど飲み込んだ。

目の前にどーんと立ってる抹茶パフェ。
私の知らない間に注文されていたそれは多分、昨日のお詫びのつもりだろう。


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