イジワル男子の甘い声
なんていうかもう…極限状態になると、人はなんでもするというか。藁にもすがる思いというか。
大嫌いだし、こいつも私のこと嫌いなのはわかっているけれど。
今頼れるのは、同じクラスのこいつしかいない。
怖かったあの目だって、もう慣れてしまった。しまったというか…こんなものに怯えてどうする今井双葉!って方が近い。
「お願い柏場くん!この通り」
そう言って、手のひらをパチンと合わせて懇願する。
「なんのお願いなのか意味わかんないんだけど。っていうか、最初で最後ってさっき言っただろ。ほんっとバカの相手って疲れるわ」
「なんとでも言ってよ!アホでもバカでも何言われても我慢する!だから…」
バっと顔を上げて、彼の制服を再び掴まえる。