イジワル男子の甘い声
「…なんで」
「必要ないの?」
鋭い目つきでこちらを睨んでそういう柏場。
こいつ…本当に教える気あるんだろうか。
どう見ても嫌そうにしか見えないんだけど。
「そ、そんなことない!ありがたいです!非常に!」
「だったらさっさと教科書持ってこい」
「は、はい!」
私は慌ててそう大きく返事をして、柏場の家から自分の部屋へと急ぐ。
あの態度…まだ気にくわないけど、教えてもらうんだから多少の悪態は我慢しなきゃ。
それにしても、急に勉強教えてくれるなんて、どうしたんだろう。
机に広げられたままの教材たちを全て持つ。
どうせなら、数学だけじゃなくてほかの教科も教えてもらおう。
「重っ」
全てを手に持ってから、私は自分の部屋を後にした。