花と君といつまでも(完結)
「おい 紫苑入るぞ」


玄関に靴は無かった。もしかして外出中か

と思ったが、リビングに入るなり驚いた


「何も無い。」


彼女の部屋のものが何も無い。
彼女は、この部屋にはもういない?


「君!ちょっと何勝手に入ってるんだい」

後ろを振り向くとおじさんがいた。

「困るよ〜勝手に入られたら」


このおじさんはなんなんだ

「あの、この家の方ですか?」


俺が尋ねるとおじさんは笑った


「なーにいってるの、大家だよここのアパートの」


大家さんか。
このおじさんなら何か知ってるかもしれない。


「あの、お尋ねしますが以前ここに住んでいた矢崎紫苑は...」

「あ〜紫苑ちゃんね、あ!もしかして君水原さんかね」

俺の名前を知っている...


「はい、そうですが」

「これ、紫苑ちゃんから預かってたんだ。
水原という男が訪ねたてきたら渡してくれと」


大家のおじさんが持っていたのは封筒だった

「じゃ、帰るよ じゃあな水原さんよ」
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