【番外編】狼社長の溺愛から逃げられません!
自分の些細な一言に過剰に反応して、ちらりと視線を投げるだけですぐに顔を赤くして、からかえば涙目で必死に反論して。
表情豊かな有川に、気づけばどんどんひかれていった。
トラブル続きの試写会のあとホテルで一緒に夜を過ごし、自分腕の中で無防備に眠る有川の寝顔をずっと眺めていたかった。
カナダへの出張の予定がなければ、このままベッドでまどろんで一緒に過ごせたのにと思う。
後ろ髪をひかれる思いで部屋を出て空港へ向かい、やってきたトロントのフィルムマーケット。
多忙なスケジュールをこなしながら、ふと時間の空白ができるたびに有川のことを思い出した。
声を聴きたい。
そう思い、時間を見つけて電話をして、相変わらず明るくて鈍感な有川に癒された。
早く会いたい。そう思いながら、チュッと手に持ったスマホに唇を寄せる。
ここ、カナダのトロントから一万キロも離れた東京にいる有川に電話越しにキスをすると、電話の向こうから言葉にならない叫び声が響いてきた。
有川の激しい動揺が手に取るようにわかって、思わず口元を抑えて笑いをこらえる。