大切なキミへ。
「お嬢様…」

「なんで西園寺が泣きそうになってんの。」

「すみません…」

「痛かったのも怖かったのも、私の方なんだけど。」






そう強がっている叶愛の体は、小刻みに震えていた。







ーギュッ


「…っ!?ちょ!」

「もう少し…このままで…っ」





いてもたってもいられず、叶愛のその小さな体をギュッと抱きしめた。
< 116 / 315 >

この作品をシェア

pagetop