赤髪の彼
「あーれー!みんな揃ってる」


なんて声が聞こえたかと思えば、玉田くん。
彼女かどうか知らないけど、女の子ときてる。



「玉田…と早乙女(サオトメ)」



中学が一緒の子だろうか。
玉田くん彼女いたんだ、なんて思っても別になんとも思わなくなるなんて、変な感じ。



「デートかな?西島くん?」


「そんなんじゃねぇ」


「え?」



玉田くんに言われた言葉に即否定をする西島くん。

…あれ。
なんか否定されたのかな、これ。



ぽろっとあたしの目から涙が零れ落ちる。
最悪だ。



「は?なんで…」



目の前の西島くんは、目を見開いて固まってる。



「ごめんなさい!」



あたしはそのまま立ち上がり走ってトイレに駆け込んだ。



あんな否定されたくらいで泣いてしまうなんて、どうかしてる。
いつの間にこんなに好きになったのかな。


「泣くなんて重いよね」



涙、止めなきゃ。
止めなきゃ戻れない。

そう思えば思うほど涙があふれてくる。

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