星空を見上げて

翌朝はぱっちり目が覚めた、額に触るがもう熱は下がったようだ
寒気もしないしアタマもしっかりしている

隣を見ると彼はまだ眠っていた
昨日は朝食サボっちゃったから今日は作りたいな
そっと起き上がるとバスルームに向かった
ささっとシャワーを浴び朝食を作っていると彼が起きてきた

「お早うございます」と言うと彼は近づいてきて額に触った
どうやらまだ心配しているようだ
体温計を出されたので測ると平熱まで下がっていてようやく安心したようだ

「治ったとはいえ病み上がりなんだから無理しないように
今日は外出禁止だからな」そう私に釘をさし会社に出掛けていった

さていつものように掃除と洗濯をすませたら買いモノだけど
外出禁止と言われたので冷蔵庫の中にあるもので夕食を考えることにした

・・・・・

昨日急ぎ以外を後回しにしたので今日は忙しくなるかと思ったが
想像していたよりも仕事量は多くなかった、今日は外出もない
浅野が調整してくれたようだ

出来れば今日も早めに上がりたいと思っていたので大助かりだ
ひたすらデスクに向かって仕事を片付けていった


あらかた仕事を終わらせて会社を出るが時間はまだ19時前
こんなに早く上がれるとは思ってもいなかった
急ぎ家に帰りドアを開けると葵が出迎えてくれた

「お帰りなさい」

「ただいま」

「食事出来てますよ、お風呂先にしますか?」

リビングに入るとカレーの良い匂い

「・・先に食べてからにする」

そう言うと彼女はふんわり微笑んだ
葵のいる日常、俺には何よりも大事なことだ
彼女にひとつキスをおとすと嬉しそうに笑った


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