星空を見上げて

結婚


あの報告の日からあっという間に数カ月が経った
今日は私たちの結婚式だ
空は朝から晴れあがっていてまるで私たちを祝福しているかのようだった

婚姻届は両親に会いにいった日の翌日に出していたので
数カ月前から私は新城葵として生活を送っていた
しかし結婚式は圭介さんの仕事の関係で今日になった

私たちは式の準備をするべく教会にやってきた
ホテル隣接の教会はさほど都心からは離れていないのだが
まわりを緑に囲まれた静かな場所にあった

教会に着くとさっそくドレスに着替える
この日のために選んだのは
スカートにボリュームのない白のスレンダーラインのドレス
私は一般女性でみると165センチと身長高めな上に
やや細身だったためスタッフに勧められた

圭介さんもひと目見て気に入り
肩から鎖骨までの部分にレースが施されていて露出が控えめな所も決めてとなった
そしてブーケは母の好きだったスズランにしてもらった

式が始まる前圭介さんが控室にやってきた
圭介さんは白のタキシード、長身の彼にとても似合っていた
私を見ると

「葵、綺麗だ」

そう言い近づいてくるとちゅっとキスをした

「あまりすると口紅が落ちてしまうからこれで我慢する」

「圭介さんっ」そう言われ私は赤面した

「それじゃあまたあとで」
笑顔でそう言い部屋を出ていった


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