星空を見上げて

「着いた・・・」

密着していたカラダは電車を降りると離された
女性たちの鋭い視線から解放されてホッとひと息ついた

「ここが池袋」

きょろきょろと辺りを見回すがどこもかしこも人だらけ
平日ってこんなに混んでるんだ
圭介さんがいなかったら確実に迷子になっているだろう

「瞳こっちだ」

彼に手を繋がれ歩きだす
行き先表示を見ながらスイスイ進む彼にだまって着いていった


ようやく混雑している駅を脱出
ガイドブックを開き目的地を再度確認する

「こっちだな」
再び歩きだすとしばらくして前方にそれらしい建物が見えてきた

「あそこだ」

何だかわくわくしてきた

「早く行きましょう」と私が彼より先に歩きだすと
圭介さんはわずかに目を見開いたあと、ふっと笑いすぐに私と並んで歩きだした


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