星空を見上げて

部屋でのんびり過ごしていた私たちは夕食を済ませたあと
露天風呂に入ることにした

圭介さんと並んで入り一緒に星空を見上げていた
ここから見る星もキレイだな
そういえば東京にいたときは空なんて見なかったっけ
それどころじゃなかったし・・

東京での8日間はあっという間だった
その短い滞在のなかで色々なことがあった
でもそのほとんどは良いことばかりだ

もし彼に誘われていなかったら
伯父さんや涼くん、そしてマスターにも未だに会えていなかっただろう
きっと圭介さんへの気持にも気づいていなかったかもしれない
それを思うと来てよかったとしみじみ思う

「圭介さん」

「ん?」

「東京に連れてきてくれて有難う」

「葵?」

「圭介さんが東京行きを誘ってくれなかったら
多分今も私は何も思い出せないでいたかもしれない
記憶が戻ったのは圭介さんのおかげです」

そう言って私は彼の肩にアタマを乗せた

「圭介さん大好き」

そういうと彼の顔が近づいてきて唇が重なった

段々と深くなっていくキスに必死に彼にしがみついてこたえる
その後も時間を忘れたように私たちはキスを続けていた


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