年下彼氏と甘い恋
職場に帰ると、オフィス内がやたらざわついていた。
噂話に乗るのも面倒で一人デスクに座る私の耳に、彼女たちの言葉が飛び込んでくる。
「すっごくかっこよかったよね。
どこの職場だろう」
「エレベーター一緒になったとき、最上階を押してたよ?」
「あのIT企業だよね?SEみたいだよ」
ビクッとした。
考えたくもないが、まさか、この人たちの噂の対象って……
「彼女いるのかな?」
「あんなに美形なら、絶対にいるよ」
「私たちなんて対象外だよね?」
陽太のことであって欲しくない。
そう願ってしまうのはなぜだろう。
私は強引に陽太の彼女にされたとはいえ、陽太のことなんて好きではないのに。