極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
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「っつか、私、倉野さんがちょっと嫌なんだけど」


居酒屋を出て、外の風にあたっているとカナちゃんが不快感をあらわに眉根を寄せていた。


「そりゃ、私だっていい気分しないけど」

「朝比奈さんから大阪の話を聞いたからって、それを勝手にサブの真帆に漏らすってどうなの? それって多分、公になる前だったなら極秘だったんじゃないの?」

「あ……そう、なのかな?」


あの時、倉野さんはなんて言って私に話したんだっけ。
確か……朝比奈さんが大阪転勤になれば少し仕事が楽になるわね、って……私が驚いた顔をしたら「サブの貴女にもそろそろ話してるだろうなと思ったの、ごめんね」って。


倉野さんは前から朝比奈さんに聞かされていたような素振りで、そこにまた私はショックだったんじゃなかったっけ。


「朝比奈さんが真帆に言わなかったのもだからじゃないの? っても彼女にくらい先に説明しろよとも思うけど。そんで別れを切り出されたからって三年も放置して、なんで今更とも思うけど……私に頭を下げた朝比奈さんは真剣だったと思うのよ」

「……うん」


カナちゃんと話して、話すことで大分自分の心の整理にもなり、第三者の意見も聞くことが出来て少しは冷静に見つめ直す気持ちになっていた、ところだったが。


「ってわけでもうすぐ朝比奈さん来るから」

「うん……えっ!?」

「真帆の足が心配だから迎えに来るって」


ぽん!
と軽く背中を叩かれ私は心の準備もそこそこに、朝比奈さんの前に突き出されることになった。

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