極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
とりあえず、これでミーティングは終了、という意味だろう。
「宿題……わかりました」
「あと、困ってることはない? 相談したいこととか」
「あ。実はエリア長に相談もしてるのですが、百貨店のGWの催事の商品のことで……毎年、この催事売上が振るわなくてですね、ラインナップを変えたくて……ってすみません! こんな細かいこと統括にする話じゃないですね」
相談したいことと言われ、つい今朝来ていたファックスの中にあった催事用の企画書のことを思い出した。
こんなこと、本当は店舗とエリアマネージャーで話し合って、それから企画書を出して許可をもらうのが本来なのに。
つい、昔、朝比奈さんと仕事の話をしていた頃の感覚で、話してしまった。
それが思わぬ方に結果をもたらしてしまう。
「いいよ。相談くらいは乗ってあげる。昼飯食いながらで良ければ」
「えっ」
「何? 嫌なの?」
あからさまに動揺した私を見て、朝比奈さんが首を傾げて笑いながら立ち上がる。
私もつられて立ち上がったけど、このままじゃ一緒にランチに行く流れになってしまう。
それが嫌なのか、と言われれば。
嫌というより、焦りや緊張と言う方が正しい。
別に上司と部下がミーティングした流れで一緒に昼休みに突入するだけ、きっと傍目にもそれ以上には見えないだろうし、問題はないけれど。
……伊崎に見られれば、後で「流されやがって」とか説教されそうな気がする。
「嫌、というか。そんな急なことでもないので、後ででも何かアドバイスをいただければ、それで」
「上司に宿題出そうって? いい度胸だね」
いつも穏やかで優し気な朝比奈さんの微笑が、片方の眉を持ち上げて意地悪なものになり。
私は、ちょっとびっくりした。