いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
「うっ。それは……」

否定は出来ない。紅栄堂さんの件がなかったら、きっと画面とにらめっこしたまま今日が終わっていただろう。

「自分がガキ過ぎて後悔しか出来なかったあの時を、もう一度繰り返すなんて絶対にしたくないから、逃げないし待たない事にしたんだ」

「『待てない』じゃなくて『待たない』なの?」

最初に言われた時は引っかからなかった言葉の違い。応接室でも今も、それを強調するような言い方が引っかかる。

「そうだよ。『待てない』は俺の我慢の問題、でも『待たない』は俺の気持ちの問題。のんびり待った挙句に湊を失うなんてまっぴらごめんだからね。何があっても捕まえて、ずっと俺の側にいてもらうって決めてるから」

手を止めて真っ直ぐに伝えられる言葉は私の胸に突き刺さる。突き刺さったその場所から燃えて全身が熱くなる。
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