いじっぱりなオトコマエ女子と腹黒なイケメン御曹司の攻防
「あ!もしかして、仕事量が多くて捌き切れない?そうだよね、ミズイさん、打ち合わせが長いんだもん、他の仕事に影響出ちゃうよね。しっかし、彼はあれでよく、今までやってこれたよねー」

「はぁ……」

そうなんです!とは言えず、曖昧な笑みを返事にした。

実際、涼介と会うと長い。でも打ち合わせ自体が長い訳じゃないのだ。
午後からの打ち合わせだと毎回必ず夕食に誘われて、かわしきれずに直帰になってしまう。ならばと午前に打ち合わせを設定したら、昼食を兼ねながらでないと応じて貰えず、食後のお茶に付き合うまで開放して貰えない。
つまり、一食は付き合わなければならないので、トータル会っている時間が長いだけなのだ。

仕事に関して、涼介はおそろしくクレバーだ。こちらの要望を理解してくれるのも早いし、レスポンスも的確で、される提案だって感嘆してしまう事も多い。
なのに、どうしてだか私が一緒に食事を取ることに消極的な事には気付いてくれない。
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